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【読書記録】2019年10月に読んだ本まとめ


こんにちは。
10月に読んだ本のまとめです。

合計30冊でした。既刊いっぱい出てる漫画を読んだから多いですね。

 

 

 

ウィラ・キャザー『大司教に死来る』

大司教に死来る (須賀敦子の本棚 池澤夏樹=監修)

大司教に死来る (須賀敦子の本棚 池澤夏樹=監修)

 

いま再評価の声高い20世紀米作家の記念碑的名作を、若き日の須賀敦子の瑞々しい新訳で。過酷ながらも美しいニューメキシコの大自然。広大な砂漠や危険な山岳地帯をラバで旅する二人のフランス人神父―19世紀半ば、彼らはその布教の地で、古代そのままに営まれる先住民族の文化に触れ衝撃を受けつつ、真の魂の豊かさを学んでゆく。ピュリツァー賞作家代表作。 

久しぶりに須賀敦子の文章が読みたくなって借りました。
西部開拓時代の伝道者と先住民の生活が、ゆっくり淡々と描かれています。
大自然の中にフランス風の教会を建てようとするところなどは、非キリスト教徒の自分からすると無神経な印象を受けるものの、『未開』の土地に『種』を蒔き育てることに一生を捧げる、このキリスト教の伝道者たちの意思と行動力はどこから来るのだろうと驚嘆せずにはいられません。

 

 

 

エリザベス・ストラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』

オリーヴ・キタリッジの生活 (ハヤカワepi文庫)

オリーヴ・キタリッジの生活 (ハヤカワepi文庫)

 

アメリカ北東部にある小さな港町クロズビー。一見何も起こらない町の暮らしだが、人々の心にはまれに嵐も吹き荒れて、いつまでも癒えない傷痕を残していく―。住人のひとりオリーヴ・キタリッジは、繊細で、気分屋で、傍若無人。その言動が生む波紋は、ときに激しく、ときにひそやかに周囲に広がっていく。人生の苦しみや喜び、後悔や希望を静かな筆致で描き上げ、ピュリッツァー賞に輝いた連作短篇集。 

これ怖いよ!表紙とタイトルのイメージで選んじゃダメな奴だよ!!
最初の数編はオリーヴが主人公の話ではないので「んー?」と思いながらも淡々と読めるのですが、徐々にオリーヴ視点が強くなっていって、近所の人や家族との間がきしんでいって・・・
特に独立したor独立まぢかのお子さんを持つ母親の方にはあんまりお勧めしないです。

 

 

 

 

新久千映『ワカコ酒』(1)-(4)

ワカコ酒 1巻

ワカコ酒 1巻

 

村崎ワカコ26歳。酒飲みの舌を持って生まれたがゆえに今宵も居場所を求めてさすらう女ひとり酒。あなたの隣にいるかもしれない、おひとり様仕様の呑兵衛ショート♪

有名ですよね。タイトルは知っていたし、Kindleでお勧めもされてたんですが、お酒に興味がなかったのでスルーしてました。
もったいなかった!
1人で居酒屋のカウンターに座って、1品のアテで1人呑み・・・
飲み会は疲れるので歓迎会とか壮行会くらいしか行かないけど、これはやってみたいです。

 

 

 

ナタリア・ギンツブルグ『小さな徳』

小さな徳 (須賀敦子の本棚)

小さな徳 (須賀敦子の本棚)

  • 作者: ナタリアギンズブルグ,池澤夏樹,Natalia Ginzburg,白崎容子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/10/16
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

名作『ある家族の会話』の前に発表され、カルヴィーノも大絶賛した現代イタリアを代表する作家のエッセイ集。獄死した夫との流刑地の日々をつづった「アブルッツォの冬」、『ユルスナールの靴』とイメージの重なる「ぼろ靴」、友みなが不在の夏の日に自死したパヴェーゼの思い出「ある友人の肖像」など珠玉の11編。 

これも「須賀敦子の本棚」シリーズから。
須賀敦子『ユルスナールの靴』で読んだナタリアのイメージとは少し違いましたけど(こっちは若い頃の話だからかな?)これはこれで好きです。
読みそびれている、須賀敦子訳の『ある家族の会話』も読まないとなー・・・と思いながら何年たったか・・・

 

 

 

湯本香樹実『岸辺の旅』

岸辺の旅 (文春文庫)

岸辺の旅 (文春文庫)

 

きみが三年の間どうしていたか、話してくれないか―長い間失踪していた夫・優介がある夜ふいに帰ってくる。ただしその身は遠い水底で蟹に喰われたという。彼岸と此岸をたゆたいながら、瑞希は優介とともに死後の軌跡をさかのぼる旅に出る。永久に失われたものへの愛のつよさに心震える、魂の再生の物語。 

表紙買いです。
映画に向いてそう、と思ったらとっくにDVD出てました。
理由や理屈はよくわからないけど死んだはずの親しい人が現れて、既に鬼籍に入っていることは互いに認知しているのに、生前の続きのような関係が続く・・・というので、最初は梨木香歩『家守綺譚』っぽいものを期待したのですが、2人の関係が親友と夫婦では、やっぱり違いますね。
解説なく放り出される感じのラストは、映像作品では表現が難しそうな・・・そっちはどうやって終わらせたのかな。

 

 

ジェイムズ・リー・バンクス『羊飼いの暮らし』

羊飼いの暮らし──イギリス湖水地方の四季 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

羊飼いの暮らし──イギリス湖水地方の四季 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

太陽がさんさんと輝き、羊たちが山で気ままに草を食む夏。羊飼いたちのプライドをかけた競売市が開かれ、一年で一番の稼ぎ時となる秋。過酷な雪や寒さのなか、羊を死なせないように駆け回る冬。何百匹もの子羊が生まれる春。600年以上つづく羊飼いの家系に生まれ、オックスフォード大学に学んだ著者が、一家の歴史をたどりながら、厳しくも豊かな農場の伝統的な生活、そして湖水地方の真実をつづる。 

以前見かけた書店のポップだったか本の帯だったかの紹介文から、バズったブロガーが書いた本的なイメージを持ってたのですが、全然違いました。
ベアトリクス・ポターと農場パートナーの関係は、いかにもイギリスという感じで好きです。
あと、著者と祖父/著者と父の関係がリアル。これは国が違っても同じだなと思いました。

 

 

篠原千絵『夢の雫、黄金の鳥籠』(1)-(13)

夢の雫、黄金の鳥籠(1) (フラワーコミックスα)

夢の雫、黄金の鳥籠(1) (フラワーコミックスα)

 

16世紀初頭、北の寒村からさらわれたサーシャは、オスマン帝国皇帝スレイマンの側近・イブラヒムに奴隷として買われ、知性の高い女性として育てられる。サーシャはヒュッレムという新しい名を与えられ、後宮に入ってまもなく、皇帝の寵愛を受け始めるが!? 

ロクセラーナを主役に少女漫画って凄いですね。
13巻現在では、まだスレイマン1世に太刀打ちできてない風ですが、イブラヒムとの対立は始まっているし、どう攻めていくのかなあ。

 

 

 吾妻ひでお『アル中病棟』

失踪日記2 アル中病棟

失踪日記2 アル中病棟

 

過度の飲酒でアルコール依存症となり、担ぎ込まれた通称『アル中病棟』。
入院してわかったお酒の怖さ。
そこで出会ったひとくせもふたくせもある患者や医者たち。
かわいくて厳しいナースたち。
そしてウソのようで本当の、驚くべきエピソードの数々。
そこから著者はいかにして、アルコール依存症から抜けだしたのか? 

吾妻ひでお追悼。
『失踪日記』は本当に衝撃の作品でした。
ご冥福をお祈りします。

 

 

ナタリア・ギンツブルグ『町へゆく道』

町へゆく道

町へゆく道

 

カテリーナは婚約者が婚約を破棄して自殺したあとに、彼が同性愛者で弟がその相手だったことを知る。弟はすべてを失い、両親が死に、婚約者にも死なれたカテリーナは…。「ヴァレンティーノ」をはじめ、全6編を収録。 

↑のようにあらすじだけ抽出するとシチュエーションの酷さが際立つ(笑)
『小さな徳』が良かったので、ナタリア・ギンツブルグを読もうと思って図書館で借りたのですが・・・
『小さな徳』では著者の結婚生活が特に悲惨だったようには感じなかったので、夫婦生活破綻系の作品が立て続けに出てくると、え??という感じ。
エッセイと小説の違いなのか、訳者の違いなのか、あまり集中もできず・・・他の作品に手を出すべきか、ちょっと迷います。

 

 

 

吟鳥子『きみを死なせないための物語』(1)-(6)

きみを死なせないための物語 1 (ボニータ・コミックス)

きみを死なせないための物語 1 (ボニータ・コミックス)

 

宇宙に浮かぶ都市文明「コクーン」。国連大学の学生で、幼なじみのアラタ、ターラ、シーザー、ルイの4人組は、宇宙時代に適応した新人類“ネオニテイ”のこどもたちだった。ある日、彼らは歓楽街の路地で緑の髪の少女に出会う……。 

これ好き!!
萩尾望都『11人いる!』とかが好きな人はハマると思います。少女漫画SF。
京都コクーンの雰囲気は、ちょっと映画『イノセンス』を思い出しました。
しかし、人口制限のあるコクーン社会(貢献度の低い人間から安楽死リストに入っていく)で、長寿生命体に生まれても有難みが少ないというか。
ジラフ博士のような「判定」を受けないよう何百年も努力し続けなければならないかと思うと、普通の人類に生まれたいですね。